ビュウリックス筐体を作ってみた パート4
ブログがなんとひと月近くご無沙汰しておりましたが皆さんお元気でしょうか。
「なんか思ったより反応薄いし更新する気しねーなー」
と思いつつ製作の方はちまちまと進めていたのですが、仕事が忙しくなりはじめましてここ2週間は製作もストップしており、ここらで仕切りなおしていかにゃ!というところでございます。
アーケードゲーマーの夢がついに実現。自宅をゲーセンに変える"アーケード筐体風"ゲームデスク「XAC-1」組み立て&試用レポート - 4Gamer.net
http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20130624050/
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┐(´ー)┌フッ
正直言ってモニターの回転機構や高さ調節、ディスプレイ上部に取り付けられるパネル、激しいプレイでもブレない重量など機能は素晴らしい。
が、しかし…エクステリアがダサい。
ノスタルジックな○○シティ風(※1)ではないのには目をつぶるとしても、ビュウリックス系の配置を標榜する割には腰より上は単なるモニターアームではないか。
皆さん、この筐体にあなたの100円を投じたくなりますか?俺は遠慮します。コレジャナイヨ~
「モニターの位置とコントローラがアーケードと同じ」なのがいいなら極端な話適切な高さのメタルラックにモニターとRAP(※2)を置けばいいのです。
ロマンとはそういうことではない。普通の部屋に似つかわしくないものが堂々と鎮座している、本物が持つでかさと重さが醸し出す存在感を疎ましく思う嫁や親の視線がチクチク刺さるがそんなことは持つ喜びの前には屁でもない、そんな夢を与えてくれる存在こそ我々に必要なのであって、おそらくそれはXAC-1では満たせないのです。(そもそもデスクに7マソは高いだろ…)
閑話休題、今日の製作日記。
パート3のときに今回作る筐体は「ベース、側板、天板(コンパネ)」の3つの部分から構成されていると書いた。前回はベースを作ったので、今回は予告通り側板を作っていく。
側板は今回の製作のキモだ。なぜならビュウリックスをビュウリックスたらしめているのは側板の高さとくびれ、そして上部構造の曲線である。
背が高いから存在感(圧迫感ともいう)があり、くびれや丸みがおうちの家具にはない雰囲気を与えているのだ。つまるところXAC-1は側板がないからダサいのだといえる。
実は最初に自分で取り掛かった作業は側板をつくることだった。まずは左右全く同じ形になるように2枚の側板を切り出す。この2枚が上手く出来るとワクワク感半端ない。
まずは、買ってきた15mmMDF板2枚を木工用ボンドで貼り合わせる。1800mm×900mmの大きさがあるので木工用ボンドもお徳用(300円くらい)を買ってきてたっぷりまんべんなくへらなどで塗る。板を貼りあわせたら寝かせて重石をする。貼りあわせた板を寝かせた上に平べったく重いものを敷いてから(そこにさっき買った大きなMDF板があるじゃないか)この上に様々なものを重石にしてバランスよく載せていく。PCやブラウン管、wiiなどでもいいと思う。そして一晩おこう。
翌朝、完全に2枚の板が貼り付き30mmのMDF板になっているはずだ。本当の筐体側板の厚みよりは薄くなってしまったが、そこはちょっと妥協。なに、強度は十分だし加工はしやすいしいいんじゃないでしょうか。
鉛筆で設計図通りにスミを入れる。設計図の寸法がインチ表記なのでセンチメートルに直しながらの作業。計算に、設計図PDFの表示に、iPad大活躍。
スミを入れたらカット開始。丸ノコは綺麗に直線が切れるが、ちょっと手元が狂うと指がなくなる。恐ろしい。
↑は写真用のポーズなのでこういうふうに切っているわけではありません。あしからず。
丸ノコで全部綺麗にカット出来たらいいのだが、側板は複雑な多角形なのでそういうわけにはいかない。具体的には多角形の外角が180度以下になる部分は丸ノコで切り落とせないので、そういった部分は普通のノコで切り落としていく。もちろん全部普通のノコで切り出してもいい。むしろ複雑な形の切り出しに丸ノコを使うのを推奨しない人もいる。丸ノコは本当に危ないので注意して扱って下さい。
そして切りすぎ削りすぎなど少々の失敗をしつつも切り出したものがこれだ!
どーん。(うーんサイズ感が伝わってこない…)
全く同じ形の物を2枚切り出すときは、1枚目の輪郭をなぞってスミを入れる。それに合わせて切れば寸法の違わないものができる。あれこれ測る必要もないので楽ちんだ。2つ合わせてはみ出したところはノコで整えるなりすればいい。トリマーなんかを使って楽しちゃうのもアリ。
そんなこんなでようやく側板を切り出せたので、ちょっとベースと一緒に貼り付け位置に並べてみた。
うはww テンションあがってきたwww
構図的には斜め後ろからなんですが、どうです。ベースと側板だけでもう筐体の輪郭がハッキリしています。この筐体でプレイしている自分を容易にイメージできるはずです。そしてこの高さ。あの上にはさらにビュウリックス仕様のアーチがかかるのです。胸のときめきを感じます。
「既成品にはない手作りの良さ」などと自分をおためごかして喜んでいるようなちゃちで拙いものではない、ディテイルを本物に近づけたがゆえの本物と同じようなワクワク感。これをさらにブラッシュアップしていくのですからやる気がでないはずがないですね。次回は側板をビュウリックス仕様に削って色を塗っていきます。お楽しみに。
※1 セガのアストロシティ・ブラストシティのこと。かつて格ゲー黄金期を支え、今でもゲーセンでお馴染みの筐体
※2 ホリのReal Arcade Pro のこと。ゲーセン並のフィーリングで操作できるコントローラ。